<京都紅葉狩り 編>

平成19年11月23日。

ここのところ恒例行事になりつつある紅葉狩り。
ちょうど見頃との情報もキャッチ。
午前10時、京都駅集合と相成った。

当然覚悟しないといけないのは混雑。
京都市内在住の女史にあらかじめ提案を求めていた。

「お勧めがあれば、おっしゃって下さいね」

と、話しつつも。
気分は、南禅寺〜哲学の道〜銀閣寺コースを描いていた。

10時過ぎに全員集合。
そこで女史はパンフレットを持ち出しご提案を披露した。

「本日は善峰寺〜十輪寺〜光明寺コースよ。
 南禅寺コースは一人かカップルで行ってきてね」


有無を云わさない、鶴の一声で散策コースは決まった。

     ◆

さて。
善峯寺、十輪寺、光明寺。ご存じだろうか?

場所は長岡京。
善峯寺、十輪寺はちょいと山奥にある大原野地区。
光明寺は粟生地区。

ということで。
平安の都を抜け出て、遷都前の都に足を運んだ。

     ◆



三連休の始まり。京都駅では旅が動き出していた。



京都駅は有名な建築家によるデザイン。



通称なりひら寺の十輪寺に到着。



鐘楼をお向きになるお地蔵さん?



本堂の屋根を背景に紅葉を。



しずくの輪。



音が聞こえてきそうでしょ?


     ◆

十輪寺を拝観し終え、善峯寺へ。

この時にハプニングが発生。
細い道のど真ん中にバスがエンジンブローでストップ。
交通を完璧に遮断していて、二進(にっち)も三進(さっち)も行かず。

ま、トレッキング気分であがって行きましょか。

トコトコと軽い気持ちで善峯寺に向かったのだが・・・。
あとで膝がガクガク笑うほどとは。

この時点で知るはずもない。

     ◆

今回、自分なりの写真のテーマがあった。
“ 写真でのボケ味をきれいに出したい ”

具体的に話すと。
“ 背景がきれいにボケるとは、その背景がボンヤリと何か分かる ”

これはカメラの出来る特権なのだそうである。

意識通りに写真が撮れるなら。
すぐにでも営業できるんだろうけど・・・

そんなはずもなく。
下手の後知恵ばかりである。

     ◆

「さて、お勉強です。なぜ紅葉狩りと云うのでしょう?」
「知りません」
「ちょっと図書館で調べてきたのよ。聞いてくれる」
「は〜い」

説は二つあるようである。

その一は。
山猟師が山を歩くのに紅葉を憶えておいて歩き回る。
その姿が狩りをしているように見えるから。

その二は。
昔の宮中のお姫様に秋を届けるため。
紅葉を手折って持参したから。

「へぇ〜〜〜〜」

どちらも風流で、日本語の感覚が研ぎ澄まされている。

     ◆



ゼェゼェなりながら登山し、多宝塔を背景に斜光で映えた紅葉を。



海抜630mにある釈迦堂。



京都の街並みが一望できる。夜景には恐いと思うけど・・・。



同じようなアマチュアカメラマンはそこら中に。私もその一人。



この時点で400枚は撮っていた。


     ◆

善峯寺を後にし、遅めの昼食。
これだけ歩いているので、お腹はペコペコ。

夕方には暗黙の飲み会があるはずだと思い。
軽食で済ます。

「にしん蕎麦」

     ◆

さて、太陽の傾き加減も良いあんばいである。

「光明寺に向かいましょう!」

この光明寺は参道の紅葉が抜群である。
特に落葉時(今年なら12月上旬かな)の参道は写真雑誌で定番である。

ただ、どんな時期にでも美しい場面はあるはずだと思うので。
そういう場所や場面探しをしようと。

上下左右に前後ろと首を360度キョロキョロする。

     ◆



今回のメンバーです。



紅葉と云っても様々な色合いがあるんですよ。



右上の葉っぱに焦点を合わせた一枚。



法然上人と御影堂と紅葉と。



もみじ参道を歩く。



ブログに出した写真です。



これにて、本日の紅葉狩り終了。


     ◆

この後は四条河原町に戻り、オフ会。

我慢していたので、一杯目の生ビールは最高!!

ズンズンと飲み、話し、食べ、飲み、話し・・・。

酔っ払いのオッチャンにへ〜んしん!!

皆様、大変お疲れ様でした。

後日、写真はピックアップしてCDに焼いてお届けします。


<北海道旅行 編>

初っ端は美女から。




六月九日。

神戸空港より船に乗って関空へ。

早朝に飛び立ち、九時半には新千歳空港に立っていた。

「うぅ、、寒い」

迎えに来てもらっている梶君の姿が見えず電話をする。

「寝過ごしたからもうちょっと待ってて」

10分後。

「お待たせしました、お久しぶり」

相変わらずである。

「ほな、行きましょか」

彼の新品車に乗り込み、ちょこっと走った。

「はい、到着」

そこの受付で待っていたお嬢さんが上のお二人。

場所はサッポロビール千歳工場。

最後には出来立てのビールが試飲できる工場見学である。

「お客様、あいにく本日は工場が稼働しておりません。。。」

「かまわないです、適当に歩きますから」

シ〜ンとした工場内を話し持って歩き終え、試飲ルームへ着く。



運転手は飲めないので、代わりに私がゴクゴクゴク。

「プッハー、美味いな!」

お代わりを注文し、窓の外に目をやる。

「やっぱり北海道に来たな。見える景色が広いわ」

「これから支笏湖界隈を走ろうと思ってるんだけど」

「お任せしますよ」

工場内をぶらぶら歩く。

芝生がきれいで歩いていて楽しい。

「こんな風景はこっちでは当たり前にあるけど。人が来ると改めて実感するよ」

「シンボリックな木立も多いしね」



「これは確かタケカンバ。白樺とは違うんだわ」

「新緑がきれいやね」

「もうちょっと前が最高に映えるよ。こっちは一気に春が来るからね」



「それはそうと、お腹空いてないの?」

「実は何も食べてないねん。関空到着も搭乗時間の10分前やったし」

「やるなぁ。。。」

「ちょっとスリリングやったけど。で、ラーメン?」

「うん、車でちょっと走ったらあるんよ」

「醤油?味噌?塩?」

「店までのお楽しみ」

店はまだ12時前なのに混んでいる。

それでも相席で座ることが出来た。

「味噌ラーメン二人前!」



腹ごしらえも完了。

さて、出発である。

「今から支笏湖畔を走って苔の同門に行くで」

「了解。で、それってどんな処?」

「ボクも始めて。予行演習にあんたと行くねん」

「・・・へぇへぇ」

途中、道を間違えて苫小牧市まで走ってしまうハプニングもあったが。

千歳川の素晴らしさは絶句。

「この辺は原生林に囲まれているから、水もきれいなんだわ」

「カァ〜、釣りがしたいよ!」

「よく見かけるよ」



そうこうするうちに、苔の同門に到着。

「ここから20分くらい歩いて下さいな」 地元の案内人に教えられる。

ひっそりとした森林の道をゆったりと歩いていく。

「先日、道議員と話す機会があったんだわ」

「ほう、なら何かあったんでしょ?」

「議員に訊ねたんだわ、北海道に新幹線を通すのには賛成ですか?って」

「うん」

「そしたら、その議員は“頑張ります!”って云うんやわ」

「ふ〜ん、自分は何て云ったの?」

「新幹線を通すなんて云う議員には投票しないって表明した!」

「アハハハ・・・自分らしいな」

「それなら千歳と札幌のアクセスをもっとよくしろ!と云った」

「それで終わるわけないでしょ?」

「地元の知人からは後援会なんでマズイでしょ、と」

「もひとつ嫁さんからは住めなくなるから止めて、と」

ちょいと真剣に政治の話しをしているが、聞こえるのは鳥の鳴き声のみ。



苔の同門は石の崩落があり、中には歩いて行けない。

浸食された岩の道を歩くと、苔むした岩が風情あるはずだったが。

それは入口を見ながら、想像をかき立てるまでである。



「この支笏湖畔にも面白い温泉があるんだわ」

「楽しみやね、行こう行こう」

「丸駒温泉って云うんだけど、立って入浴するんだわ」

「けっこう深いの?」

「130センチくらいかな」

「・・・深いがな」

湖畔沿いを走っていると、“丸駒”という文字を発見!

「もうすぐやで」

「温泉、久しぶりやなぁ・・・」

そそくさと着替え、タオル一丁とカメラを持参し露天風呂に向かう。



湯船にある段々を入っていくと。

「おっと、深いね」

「もう一歩前に出てみぃ」

「ホゥ〜、深っかぁ〜」

底から湯が湧いているので、足はジャリ石を踏んでいる。

これが気持ちいいんだ。

「ホンマはお姉ちゃんをモデルにしたいけど仕方ないから撮すわ」

「好きなこと云うてるで」

パシャリ。



充分に温まり、生ビールをゴクゴク。

日が高いうちから飲むビールは三本指に入る美味い!!

それに温泉後なら格別。

「そろそろ札幌に向かうで」

「晩は違う友人と会うんだけど、一緒にどう?」

「まま、時間がありそうなら電話するわ」

「オレ、あんたの息子にも会いたいし」

「考えとくわ。ままススキノを堪能してきてちょ」

ススキノのど真ん中のホテルで降ろしてもらう。

そのススキノでは。



部屋で一服し、身軽な格好でくつろいでいたら。

友人夫婦から電話があり、ロビーに降りていく。

「お久しぶり、楽しみにしてたで!」

「ようこそ札幌へ」

「ほんじゃ、さっそく食べに行きますか!」

「あれも最後には行きましょいや!」

「あとあと。」



かんぱ〜い!!

「奥さんとは確か羽田以来ですよね?」

「そうです、お久しぶりです」

「べたな関西人なんで方言に慣れてちょうだいね!」

「頑張ります」

「北海道と云えばジンギスカンですから」

「あれもこれも食べたいから、ちょっとでエエで」

ジュージューの音と匂いには魔力がある。

「明日は夕方まで観光案内するから」

「ありがとう!美瑛に行ってみたいんやけど?」

「今日の飲み方次第だね」

「大丈夫、控えめにしとくから」

・・・そんなことはシラフでしか云えない。



この後、お寿司を食べに行き日本酒をコクコク。

海水雲丹を楽しみ、牡蠣をパクリと一口でいただく。

握りを注文しつつ、厠にも頻繁に通うようになってくる。

ここらが限界だったんだなぁ。。。

その後は記憶がトリップ。

どこに行ったのかも、誰と飲んだかも、どうして帰ったのかも。

なのに、こんな写真が撮られてあった。



“二番、センター梶琢朗く〜ん”

私は今だ持ってこのシーンを微塵も憶えていない。

酔っ払いはおめでたいものである。


“子供の眼、大人の財布”

翌日の目覚めはスッキリ二日酔いになってた。

遮断カーテンをジャーッと空けてみると。

目を細めんばかりの快晴である。

「さて、何時かしら?」

メガネを掛けようとテーブルの上を探すと。

ない。

・・・ん?

昨晩はどうやら脱ぎ散らかしたまま寝たようだ。

バッグの中かな?

バッグを開けてみた。

ない。

・・・ん?

おまけに長財布も。

ない。

・・・ん? ん??


ない、 ない、 ない!!

このあたりから頭の回転が速くなり出した。

が、その前に。

シャワーでスッキリするか!

シャワーを浴びつつ考えたこと。


1.もう一度ゆっくり部屋中を探す。

2.見つからなければ友人に連絡。

3.警察に届けて処置を済ませ。

4.本日も観光を大いに楽しもう!!


結果、4番まですんなりと進んでしまった。

あ〜ぁ
 “子供の眼、子供の財布” と成り果ててしまったよぉ〜。



武田君夫妻が案内してくれたラーメン屋で朝食と昼食を兼ねて醤油ラーメンを。

ニンニクの摺りおろしをちょっとスープに混ぜたりしたら・・・

うふふふふふ・・・・

夫妻は落とした財布の心配をしてくれるも。

本人である私が。

本日も観光を楽しもう!!

普通の態度で楽しんでいるので。

アホらしくなったのか、一緒に楽しんでくれるようになった。

武田君とも夫妻で会うのは羽田空港以来。

何年ぶりなんだろうか?

「奥方、今日も関西弁炸裂やでぇ〜!!」

「・・・エエけど。やっぱり品がないわ」

「学生時代はホンマ一緒に行動したよな」

「金は無かったけど、暇はあったもんな」

「五月に京都で同窓会みたいに集まったんやわ」

「そうなんや」

「みんな、よろしくって言ってたよ」

「長い間、会ってないもんなぁ・・・」

「それにしても、オレは昨日どうやってホテルに帰ったん?」

「オレが部屋まで送っていったがな」

「エッ?ホンマ??それはどうも」

「メガネはあったんか?」

「ベッドと壁の隙間に落っこちそうになってたわ」

「ドタンとベッドに倒れたまんま寝たんかな?」

「ズボンはたたんで椅子に掛けて、靴下は脱ぎ捨ててた」

「けったいやな」

後ろの席で奥さんは笑うだけである。

「そういや、昨晩は5分ごとに待ち会う時間を訊いてたぞ」

「酔っぱらってても気にしてたんやろうね、憶えてないけど」

「今から行くところは憶えてるか?」

「さぁ〜」

「・・・モエレ沼公園やで」



イサム・ノグチがデザインした公園は広い。

人がとても少ないので一人の空間が広くて気持ち良い。

こんな場所で紙飛行機を飛ばしてみたいなぁ。。。

突然、そんなことを思い浮かべる。



夏の凧揚げでも楽しいぞ。

電線が無いから飛ばし放題やがな。

遮るもののない空からの光線は痛いが。

日陰は湿気が無いのでとても心地良い。

「こんな土地があったらバーベキューのやり放題やね」

「そこら中でやってるよ」

「芝生は気持ち良いし、美味しいだろうなぁ。。。」

「そりゃ、今が季節だからねぇ」

ガラス越しに見える空も高い。



「ほんじゃ、小樽に走りますか?」

「オッ、ソフトクリームですな!行きましょ!!」

「約一時間くらいかな」

「ええよ、ええよ」

「ソフトなら赤井川が有名だから、そっちを先に行ったらいいんじゃない?」

奥様の提案に一も二も賛成!!

小樽を越えて、赤井川の農場まで走る。

着いた、着いた。

6月2日に生まれた子ヤギ。



今回の第一号ソフトクリーム。

ザラザラ感はあるが、コクが違いますなぁ。。。

ここからはソフトクリームの食べ歩きである。

炭火焼きのソーセージも齧り付いてしまったら。

あまりのジューシーさにちょっとヤケドをした。



さて、小樽に戻り街の散策を始める。

数年前に小樽は来たが、その時は電車の待ち合わせの関係で数分で去った。

今日はゆっくりと歩けるぞ!!

先ずはソフトクリームだな。

赤井川の農場で食べたそれとは明らかに違う。

口当たり、コク、まろやかさ。

なんとも美味いんだ。



そのお菓子屋さんで飾ってあったオブジェ。

チョコレートとキャラメル。

「こんなんいっぺんに食べたら、血糖値が急上昇して危ないんと違ゃうの?」

「オレはチョコレートが好きだから、大丈夫だよ」

「・・・」



小樽と言えば。

オルゴール、ガラス細工、運河、石原裕次郎記念館、寿司、倉庫・・・。

全部は回りきれない。

ならば、近い順番で歩くか!



オルゴール館で見たステンドグラス。



静けさを感じる写真にしてみました。

家で飾ると埃が大変だろうなぁ、、、と。

いらん事も考えておりました。



街で一番目についた文字。



見ていると引き込まれそうになる。

「どこもかしこもガラスを見ていると、分からなくなってくるんだわ」

「ホンマに、そうやね」

「だからお土産で買わないんよ」

「それって、私には買ってこないための言い訳でしょ?」

「ボクは聞かんかったことにしよっと」



雪国、ガラス細工とくれば。

ランタンは雰囲気を醸し出す必需品となりますな。



運河は冬に来るといいそうな。

「邪魔なものは雪が消してくれるから?」

「ま〜るく感じるんよ」

「寒いのは半端じゃないけどね」

「脂肪をたくさん付けてからいらっしゃいな」

「そうやねぇ・・・」



小樽の〆はやっぱりこれ。

町田農場のソフトクリーム。



武田君夫妻の注文はバニラ&キャラメル。

たらふく堪能した小樽もそろそろお時間。

夕方からは昔務めていた会社の先輩とお会いする約束をしている。

「これ、準備しておいたぞ」

封筒にはお札が。

「どうも、ありがとう」

スッカラカンなので用意しておいてくれた。

梶君からもメールが届いていた。

“困ったなら連絡してくれよ”

ありがたいことである。

財布には免許証、カード一式、現金を一緒にしてた。

だから、落とした時点で帰られない。

腹も簡単に括れたんだけど。

小樽からの帰りの車中での会話の中で。

「写真のアップはアカンぞ!」

「旦那だけなら良いですよ」

「なら、お二人の後ろ姿はどない?」

「絶対ダメ!」

きれいにハモッていた。

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ホテルまで送ってもらい、ロビーを歩いていると先輩が座っていた。

「ご無沙汰しております、一度部屋に上がってすぐ降りてきます」

部屋に戻るとメッセージが。

“フロントにご連絡下さい”

フロントに電話すると。

「梶様からお預かり物がございます」

すぐに梶君に電話をし、お礼を述べた。

お心遣いに感謝である。

ロビーで先輩と合流した。

開口一番。

「昨晩、財布を落としてスッカラカンです。ご馳走になります!」

「そうなんかいな」

先輩に連れて行ってもらったのはホテル近所の居酒屋さん。

「かんぱ〜い!!」

独身時代は3日に空けず一緒に飲みに行った人である。

「今日は美瑛に行ってきたんか?」

「いや〜実は二日酔いで遅くなりまして・・・」

「あそこはエエぞ!まさに北海道を連想させる風景やしね」

「次回は必ず行きますよ!」

「ところで札幌は慣れましたか?」

「うん、エエ処やで」

「今日、モエレ沼公園と赤井川と小樽に行ってきたんですが、のんびりしてますよ」

「観光だからよけいにそうなんだろうね」

瞬く間にビールが消えていく。

「お代わりちょうだい!」

「皆さんお元気にしてますか?」

「もう、だいぶ顔ぶれが変わったけどね」

「○○さんは?△△さんは?□□さんは?◇◇さんは?」

次から次へと質問攻めになってしまっている。

昔も他愛ない話をしながら酔っ払い、店のハシゴを重ねてから帰ったもんな。

「色の白い女性が多いですよねぇ?」

「やっぱり日照時間が少ないからかなぁ・・・」

「北海道は制覇しましたか?」

「根室だけがまだ行ってないんだ」

「仕事が無いんですか?」

「まだ景気がエエとは云えんよ、こっちは」

居酒屋の肴はどれも美味しく、ビールから焼酎にタッチ交替である。

「最近、記憶をなくすことがあるんやわ」

「僕なんてしょっちゅうですよ。昨日も満塁サヨナラ弾だったし」

「あとは体重が増えたね」

「僕は老眼が入ってきました」

やっぱり、こんな話題も出るのである。

「これからの季節は大阪には帰りたくないでしょ?」

「そうやねぇ、わざわざ暑いところにはなぁ。夏は家族を呼ぶことが多いよ」

「でしょうね、関西で云うなら秋だもん」

「湿気が少ないのは非常に助かるよ」

会話が進み、お酒が進み、あれよあれよと時間が過ぎていく。

「先輩、焼酎瓶が空きましたよ」

「ほんじゃ、外に出ようか?」

次の店を考えるも。

「先輩、何で帰るんですか?」

「電車やで」

「なら終電がもうすぐですよ」

「エッ?そんなに飲んでたのか!」

「6時間くらい」

「アカンわ、次のお店は次回会うときに変更!」

「了解!ご馳走様でした!またご連絡します!」

信号を渡り、コンビニで水を買ってからホテルに戻り。

今晩もバタンと倒れ込んだ。

こうして長〜い二日目が終了した。


朝早く目覚めた。

テレビのニュースを見ていたら。

本州はそこら中で局地的な豪雨であったらしい。

が、札幌は快晴。

ゆったりゴロゴロしながら、どうやって帰ろうか考えていた。

「荷物は重いし、歩くの嫌だし・・・」

ならば。

新千歳まではリムジンバス。

関空からもリムジンバス。

朝食ついでにフロントで訊ねると、目と鼻の先にバスの停留場がある。

「決〜めた!!」

ゆっくりと準備に取り掛かり、忘れ物が無いかを確認。

武田君からもらった物が冷蔵庫にあったなぁ・・・。

冷蔵庫に冷やしていた箱を開けてみると。

生キャラメル。



一粒口に放り込んでみたら、体温でとろける、とろける。

「こんなん食べたことない!」

「しかも家までは持たないわ」

新千歳までの道中で全て食べてしまった。

朝から美味しいがな。

「新千歳空港は日本でも指折りの充実している空港だから、

 帰りはじっくり見て回ってみたらエエよ」

梶君の云う通りである。

関空、伊丹、神戸。

三つとも施設が中途半端なのがよく分かる。

「北海道の土産はここが一番充実してるし、集まってくるんだわ」

海産物、生鮮野菜、民芸品から工芸品まで。

ある、ある。

帰る間際にもう一度堪能しようとラーメン屋へ。

味噌とんこつラーメン。



食後のデザートにはソフトクリーム。

いろいろ迷って、花畑牧場のソフトクリーム。

これが素晴らしく、もう感動は要らない!!



機内に乗り込むと隣の駐機場にスルスル入ってきたのが。

ポケモンジェット。



空の旅は揺れもなく、快適すぎてトロンと落ちていってしまった。



今回、皆様にはとてもお世話になりました。

お陰様で。

三年ぶりの北海道は誠に誠に思い出深い旅となりました。


=追伸=

帰宅後の処理は大変だった。

親には内緒でこっそりと隠密行動を。

@免許証の再交付。

@クレジットカードの再交付。

@キャッシュカードの再交付。

この中で、キャッシュカードの再交付に関しての対応は。

1.東京三菱UFJ銀行。

2.三井住友銀行。

3.尼崎信用金庫。

4.郵政省。

この順番で優劣が出た。

3番、4番の応対はダメ!!

特に4番は全くダメ!!

でありました。


<鹿児島旅行 編>

平成19年5月6〜7日。
同業者での旅行会があった。

鹿児島。

GW最終日になる6日。
伊丹空港はさぞや混雑しているだろうと予想した。
しかも。
雨がきつい。

同僚と早めに出発した。

が、スイスイ。
空港に早く着きすぎて、2時間以上も待ってしまうハメになった。

それでも気分は高揚気味。
帰省最終の人達を横目に悠々と珈琲をすする。

午前11時過ぎの満員の飛行機に乗りこみ。
道中の大揺れに胃がひん曲がり。
機窓からは見えるものは真っ白けの雲の中ばかり。


向かって左の飛行機に乗り込んだ。




それでも無事に鹿児島空港へ到着。
どんよりと泣き出しそうな雲行きであるが。

すぐに観光バスに乗り込み、霧島高原へ走り出した。

古い駅で有名な嘉例川(かれいがわ)駅の説明だけ受けて、ズンズンと霧島高原に向かう。
そして約40分後。
遅めの昼食として入った地鶏専門の食事屋でひとまず乾杯!

地鶏のたたき、豚肉の焼肉を黒酢タレで食べたり、ちょっと目新しい。
なかでも、とくに美味しかったのが。


めっぽう味があるご飯と箸でつまんでも崩れない濃厚玉子。




これだけで。
先ほどの飛行機の揺れは帳消しになった。

腹も満足し、バスは霧島神宮に向かう。
途中で雨がバラバラと景気良く降り出してきた。

明治の頃。
廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)急先鋒の県であった鹿児島は。
(何故かと云えば薩摩は官軍だったから)
古寺古刹はほとんど無い。

そんなことを思い出しつつ。

驚くほど数多い温泉名を通り過ぎて行く。
地図で調べると「霧島温泉郷」と書いてあった。
なるほど多いはずである。

次回は温泉巡りも楽しいだろうなぁ。。。

さて。
高原と云うだけあってポロシャツだけでは肌寒い。

それでも雨の降りしきる中、本殿に向かった。


『ににぎのみこと』を祀る神宮である。



樹齢800年、樹高35mのご神木。



国歌になっている「さざれ石」も奉られてある。


ザァーザァー降りに近いのでバスに待避。

時間・天候の都合で高千穂峡・えびの高原はパス。
桜島に向かってバスを走らせることになる。

高原より鹿児島湾に向かう。
湾岸を国分→徳山(黒酢で有名)→垂水(たるみず)→桜島。

途中の港ではアオリイカ狙いでエギをシャクっている釣り人を見かける。
海岸では青のりを採っているお母さん達の姿を目にし。
地取れのビワが最盛期である。


噴火によって埋没した鳥居。



溶岩の振り向く人。そして猿。



この日、桜島はその姿を見せなかった。


その桜島にある港から鹿児島市街地までは。
直線距離にして約3�q。

ここでは10分間隔でフェリーが往来している。
ほぼ直線ルートを辿って鹿児島港に到着。
そして10分少々でホテルに到着した。

ホテルへの道中に市内では。
西郷隆盛の自決した洞窟をチラッと一瞥のみ。
何とも慌ただしい。

それも仕方ない。

ホテルで部屋割りをもらい、荷物を置いたら集合。
本日のメインイベントの料理である。

「幹事さん、鹿児島のコンパニオンは楽しいですかね?」
「ん? 今日はコンパニオンはあらへんで」
「・・・ん?」
「そのぶん、料理を奮発してるがな。」
「・・・」

幹事さんはこちらの目を避けるように話していた。


鹿児島の宴はしゃぶ。そして、芋焼酎。



大いに呑み、大いに食べた。


二次会は三々五々と散らばるはずが。
土地勘も分からず、疲れもピーク。
パチンコ組二人が消えたのみで、全員がホテルへ直帰。

そのまま寝るには早い。

ホテルをウロウロし、カラオケ部屋を発見し、皆を集めて二次会開始。
色気のないカラオケなんて何年ぶりだろうか?
そんな事を考えつつ、それでも歌っちゃう。

悲しいのはリモコンの操作方法が分からなかった事だな。

「ここの露天風呂は桜島がドンと見えるからな!」
「早起きして露天風呂に行ってきたらエエわ」
「了〜解!!」

夜十一時過ぎに解散。
同僚と部屋に入る。
部屋の缶ビールをプシュッと開け、グビグビグビ。

すると・・・。

ガァーガァー、グワーグワー。
(先日のBBS欄にも書いた通り)

それを肴に冷たいビールを呑んだ。

翌朝。
ガァーガァー、グワーグワー。

眠い目をこすりつつ、時計を見遣ると。
午前五時半。

今朝は肴にはなりそうもないので。
ソローッと起き出し、風呂に向かう。

もちろんカメラ持参。

ガラ〜ンとした露天風呂で桜島を眺める。
「ホォ〜桜島だぁ。まだ頭に雲がのってるから待つか」

1時間ほど入ったり出たりを繰り返す。


それで撮れた写真がこれ。後は雲がどんどん出てきた。



長湯のおかげで昨日のアルコールは胡散霧消。


朝食には小ビールを注文。

うまい!!

ご飯も申し分なく、お腹いっぱい。
毎度毎度、旅行先の朝食は目一杯食べてしまう。

出発までの時間を利用しホテル内の美術館へ。
薩摩切り子&薩摩磁器が展示即売している。


悩むことなく写真だけに。



薩摩切り子は赤が有名なのだそうです。



日記にも書いたとおり、手が出ませんでした。


一泊一日のような旅行である。
帰路も午前中の飛行機に乗り込む。

同業の先輩がポツリと。
「今回の旅はあっさりしてたなぁ。。。」
「どういう意味ですか?」
「いつもなら、後ろ髪引かれるような女性との出会いがあるのに。。。」
「食事が豪華だったので納得されては?」
「まぁ、鹿児島はそういうご縁やったんやな」

空港に到着すると。
一時間遅れの掲示が。

「どうした?どうした?」
「どうやら出発が遅れたようです」
「ま、飛行機はそんなことがあるわ」
「今日は天気も良いし揺れもないでしょう」
「おそらく快適だわ」

窓側の席に座らせてもらい、終始下界を覗き込む。
地図通りの地形が見えるんだもの。
私は醍醐味の一つだと思っている。

宮崎県の海岸線を見おろし。
日向灘を通り過ぎ。
遠く足摺岬が見え。
室戸岬、淡路島、和歌山上空、八尾空港、大阪城、そして着陸。


宮崎県の沿岸部を東に飛んでいる。




アッと云う間の一泊鹿児島旅行だったが。
充分に楽しいものであった。

次回は温泉三昧を兼ねて、高千穂界隈を探索したい。

知らない場所を旅するのは、素敵である。